ゴミが環境に与える深刻な問題について考える
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家庭から出る一般ごみや食品ロスは焼却されますが、焼却することによってダイオキシンや二酸化炭素が発生します。ダイオキシンは人体に有害な発がん物質ですし、二酸化炭素は地球温暖化に影響を与える温室効果ガスです。焼却すること無く埋立処分すればダイオキシンや二酸化炭素は発生しませんが、埋め立て場所である最終処分場の不足が問題となります。日本はゴミの一部を他国に処分してもらっていましたが、バーゼル条約によって汚れたゴミの輸出ができなくなりました。
ゴミの不法投棄による海洋汚染も深刻な問題です。中でもプラスチックごみはかなりの割合を占め、海の生態系に影響を与えています。海洋や土壌に廃棄されたゴミの中には分解されて自然に還るものもありますが、プラスチックごみが問題なのは分解されずに蓄積していくことです。プラスチックごみとはペットボトルやレジ袋だけではありません。歯磨き粉や化粧品に含まれている微細なマイクロプラスチックも深刻な影響を与えます。有害な化学物質が含まれているマイクロプラスチックや更に小さなナノプラスチックが海に流れ込むと魚が食べてしまいます。その魚を捕食している人類の体内にも魚と一緒にマイクロプラスチックが入り込むことになりますので、巡り巡ってプラスチックごみが人間に返ってくることになります。
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プラスチックごみを減らすためにはリサイクルすればいいので、そのためにゴミを分別していると思うかもしれませんが、プラスチックごみの中で実際にリサイクルされているのはわずか10%程度です。残りは焼却処分か埋立処分されますが、一部はどちらの処分もされずに自然環境に漏れ出し環境破壊の原因となっています。今の状態が続いてもプラスチックごみを完全にリサイクルするか処分するのは難しいことですので、プラスチック製品の使用を減らす生活を目指す必要があります。レジ袋の有料化やマイバッグ、エコバッグの利用もそのためです。