海外はゴミ問題をどう認識し対応しているか
世界的にゴミ処理は根深い問題です。プラスチックゴミが増加している問題は世界的に広く認知されていて、日本でもプラスチックゴミの削減を目的とした「レジ袋有料化」の対策を2020年7月より取り入れました。海外の各国もそれぞれに対応しています。たとえばイギリスではプラスチック製ストローやマドラー、綿棒の配布と販売の禁止に踏み切っています。フランスでは使い捨てプラスチック容器を原則使用禁止という、大きな制限を行っています。
プラスチックゴミに限らず、各国によってゴミ問題の程度は異なります。経済的な発展と比例するかのように、開発途上国では深刻なゴミ問題に悩まされているのです。ゴミの処理は、管理体制や技術が整っていないことを原因として滞ってしまうケースが多く、開発途上国では特にその状態が顕著といえます。その国の風土や気候などによっても、ゴミ処理の技術や方法は異なります。経済の発展とともにゴミが増加する場合が多く、大抵は経済を優先させ、そのゴミ処理を後回しにしてしまうことが多いのです。ケニアでは、生ゴミの処理として豚が放牧されています。
その他の国でも、様々な国の事情に合わせた対策があります。シンガポールでは急激な経済の発展によるゴミの増加を問題視していて、ゴミのポイ捨てに対して高額な罰金を設定しています。罰金を課すことにより、ゴミが路上に溢れるのを防ぐだけでなく、家に持ち帰って分別してほしいという狙いもありました。実際に路上にポイ捨てする人はグッと減ったため、狙い通りと言えます。
北欧ではゴミの資源化が進み、環境問題についてかなり進んで取り組んでいます。「環境先進国」とまでいわれるスウェーデンでは、ゴミの分別処理がしっかりと行われている上、生ゴミとを原料としてバイオガスを精製し、燃料として利用しているのです。その上、国民が出す96%のゴミをリサイクルに回すことに成功しています。さすが環境先進国と言われるだけあって、ゴミ処理に無駄がないといえるでしょう。